加熱式タバコと電子タバコの違い ~ニューヨーク州電子タバコ販売禁止を検討~
加熱式タバコと電子タバコの違い ~ニューヨーク州電子タバコ販売禁止を検討~
先日、アメリカのニューヨーク州の裁判所は、ニューヨーク州知事が今年の9月に承認したフレーバー付き電子タバコの販売禁止法の施行を暫定的に差し止める命令を出しました。
昨今アメリカでは、若者の間で電子タバコによる健康被害が拡大していることを受け、電子タバコに対する風向きが強まりつつあります。具体的には、電子タバコが原因とされる肺疾患による死亡件数が増加しており、電子タバコ関連の疾患(疑いも含め)は1,000人を超えたとの報道もあります。
加熱式タバコと電子タバコの違い
そもそも、電子タバコと加熱式タバコは製品として異なりますが、あまり認知されていないように思います。下記に特徴を羅列しました。
加熱式タバコ
- タバコの葉(ペースト状など)を電気で加熱し、水蒸気を吸い込む
- ニコチン、タールを含む
- メーカーは、フィリップモリス(アイコス)、ブリティッシュアメリカンタバコ(グロー)、JT(ブルームテック)など
- 紙巻タバコより健康リスクが低いという研究結果は、タバコ産業以外の研究機関からは公表されていない。規制は紙巻タバコと同程度か。
電子タバコ
- タバコの葉を含まず、リキッド(液体)を加熱し、水蒸気を吸い込む(様々なフレーバーが特徴)
- ニコチン含有する・しないの両方、タールは含まない。
- メーカーはJUUL、VAPEなど
- 健康への悪影響が懸念され議論になっており、各国政府の規制が強まる傾向にある
紙巻タバコ
- タバコの葉を燃焼させて、煙を吸い込む(フレーバー付きもあり)
- ニコチン、タールを含む。
- メーカーは、フィリップモリス(PM)、アルトリア(MO)、ブリティッシュアメリカンアバコ(BTI)、JT(2914)など
要するに、電子タバコは有害性がクローズアップされ、議論の的になっており、各国政府の規制が強まる見込みが強いです。投資先としても電子タバコメーカーは、リスクが高まりそうです。アメリカ大統領のトランプ氏も味やフレーバー付きの電子タバコの販売を禁止する方針を発表していますしね。
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電子バタコメーカーのJUUL社の売り上げ推移。また、権威として名高く、食品や衣料品の製造・販売にも大きく影響を与える米国食品医療局(FDA)は電子タバコの規制に積極的です。
サンフランシスコ市では、すでに電子タバコの製造・販売を禁止する法令が可決されています。どちらかというとアメリカやヨーロッパでも規制や法整備が進んでいくように思います。