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米国食品医療品局(FDA)による電子タバコの規制(JUUL)

JUUL 21歳未満への電子タバコの販売中止を発表

 

今回は、米国タバコ業界の気になるニュースがありました。わたしはタバコ銘柄のPM(フィリップモリス)を保有しているため、気になるところですね。

 

◯ アメリカで21歳未満への電子タバコの販売中止の流れへ

米食品医薬品局(FDA)は9月に電子タバコ大手製造会社5社に対し、未成年者による電子タバコの喫煙増加への抜本的解決を求めて発出した勧告を行いました。電子タバコ大手のJUUL社は13日、コンビニエンスストアや専門販売店など9万店舗以上で21歳未満に対するメントールとミント以外のフレーバー付きの電子タバコの販売を停止する方針を示しています。さらに、オンラインならびに販売店での購入に関しては、年齢確認システムを導入する計画だそう。また、21歳未満にターゲットを絞ったソーシャルメディアでのPR活動も停止するとしています。

米食品医薬品局(FDA)は9月に、電子タバコ製造会社に対し、「60日以内に若者に対する電子タバコの販売中止および電子タバコの普及を阻止する抜本的な解決策を提出するよう求め、同勧告に従わない場合は罰則を科す」と警告していました。今回はその勧告に対する対応と思われます。また、FDAは今週、新たに全国販売を禁止するフレーバー電子タバコの種類を拡大し、規制強化案を提出する予定としています。メントールやミントを含めた電子タバコの販売も規制対象になるということでしょうか。

 

アメリカ在住経験もある人のお話では、JUULの電子タバコは様々なフレーバーがあり、特に若者に人気の製品だそうです。そのため、若者への規制が強くなると電子タバコ業界も大きな打撃があるかもしれませんね。電子タバコが新しい製品だったため、規制が緩かったのかもしれません。少なくとも規制が緩くなっていくようなことはないでしょう。

 

 

◯ 米食品医薬品局(FDA)とは

アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services)配下の政府機関です。連邦食品・医薬品・化粧品法に準拠し、医療品規制、食の安全を管轄しています。

FDAが担っている製品は幅広く、食品やたばこ、医薬品(サプリメント等も含む)、化粧品、医療機器、動物薬、玩具などです。これらは、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行っています。一つの機関が一元的に食品等を扱うのは、省庁間の問題が生じにくく、良いことですね。

サプリメント分野においても、FDAが科学データを根拠とした、厳しい管理の下で市場に流通しているため、信頼性が高い製品が販売流通していると言えます。一方、日本のサプリメントは食品衛生法により規制されているだけです。あくまで個人的な意見ですが、アマゾンなど通販でサプリメントを購入するときは、アメリカ、FDAの許可がおりている製品を買うようにしています。

 

 

 ◯ JUUL、電子タバコの大手企業

さて、JUUL社の製品はまだ日本では発売されておらず馴染みがないです。しかし、下表の通り、近年になって急激にJUULが多きく売上を成長させ、いまや最大手の電子タバコ企業となっています。

 

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電子タバコのブランド別売上の推移(英国の医学雑誌BMJ系のオンラインより)


 

 ◯ タバコ業界に与える影響は

以前から、タバコ業界は規制にさらされており、様々な訴訟問題など、政府や市民の目も厳しいです。そのためか、ジェレミー・シーゲル教授の著書では、フィリップモリス株は長期リターンが最も高い企業の一つであると言われています。

簡単にいうと、厳しい規制のため、人々のタバコ銘柄に対する期待が低くなります。他方、タバコ企業は国家の規制で新規参入が少ない、そもそも設備投資が少ない、莫大なキャッシュを稼ぐ、株主還元が大きいことから、株主のリターンが大きくなります。

今回の電子タバコ規制は、従来のたばこ企業(フィリップモリス、アルトリア、JTなどなど)にはどのように影響があるのでしょうか、業界の行き先を考えたくなるようなニュースでした。