ブルームエナジー(BE)の2019年Q2決算をレポート
ブルームエナジー(BE)の2019年Q2決算をレポート
真っ赤だな、真っ赤だな、わたしのポートフォリオ真っ赤だな~。
さて、8月12日、ブルームエナジー(BE)は2019年Q2決算を発表しました。決算内容は悪くなかったものの、株価はマイナス40%を超える暴落となりました。52週の株価レンジは、4.4~38.0 USDで、最高値から最安値では80%を超える大暴落。BEはわたしの保有株でもあるため涙目ですが、決算内容に関連するニュース(Yahoo Finance USにあった以下のニュース)をチェックしました。
3 Key Takeaways From Bloom Energy's Q2 Earnings
1.ブルームエナジー(BE)の2019年Q2決算概要
- 売上高は2億3,380万ドルでアナリスト予想を12.4%上回る!
- EPS(1株あたり利益)は-0.13ドルでアナリスト予想の-0.16ドルを上回る!
- 決算発表直後は株価が15%の上昇!
上記のとおり、決算は市場予想よりも良い結果であり、かつ、決算発表直後は株価も上昇しました。では、なぜその後40%を超えるような暴落を招いたのでしょうか。
2.なぜBEの株価は直近から40%以上も大暴落したのか
- 売上高の一部はサザンカンパニーの投資(交換)によるため
- キャッシュフローが未だ不安定と想定されるため
- 2020年の業績予測が良くないため
一つ目の原因は、Q2売上高である2億3,880万ドルのうち、約4,100万ドルがサザンカンパニーの子会社であるサザンパワーがブルームエナジーサーバーをアップグレードするための投資で、これを差し引くと、前年同期と比べて14.4%しか増加していないためです。
二つ目は、BEのキャッシュフローが不安定ではないかと想定されるためです。例をあげると、BEは2018年に5840万ドルのマイナスの営業キャッシュフローを報告しています。それにも関わらず、経営陣が2019年後半にはキャシュフローがプラス転換となる、という見解を示したそうで、市場はこれに対して懐疑的になっています。
三つ目は、2020年の業績予測がネガティブな見込みのためです。特に問題になると思われているのが、平均販売価格が下がり、売上高が横ばいになるのではという憶測です。これは再生エネルギー、天然ガスの政策が同社の顧客に混乱をもたらし、BE製品の購入の意思決定を先延ばしにするのではという懸念から起こっています。
政策の逆風例として、カリフォルニア州バークレーは新しい建物での天然ガス利用を禁止したこと、BEの顧客が多いニューヨーク、カリフォルニア等でも似たような話が出ている、といった事例があります。
これらの理由により、投資家の判断が今後の継続的な成長に対する期待を弱めたことから、株価が大幅に下落したものと分析されています。
3.株価のアナリスト予測が下げられる
記事にあった各アナリストの見解は次のとおり。
コーエンは11ドルの株価目標に対して中立評価とし、株価目標を維持しました。
オッペンハイマーは中立を保ちましたが、2019年Q2の売上が市場予想を上回ったことは、「国際的な販売、交換用の借り換えによるもの」と冷静に指摘しています。
レイモンド・ジェームスは、買いを維持しましたが、株価目標は16ドルから12ドルに引き下げています。ニューヨークやカリフォルニアの化石燃料の段階的な廃止に関する問題を指摘しています。
このような感じで、アナリスト予想も中立からやや弱気な見解に変わったように思います。
4.アメリカ中小企業の決算をめぐる所感
大企業の決算発表であれば違うのかもしれませんが、上場間もない中小企業の決算では、一つの不安要素が株価の下落を招くことになると実感することができました。楽観的な経営陣に対して、市場はNOをつきつけたとも取れます。
個人的な見解は、ブルームエナジーはマイクログリッドのリーディングカンパニーであり、さらに売上を伸ばしていくと考えています。
マイクログリッドとは、「閉鎖領域(エリア)において、様々な需要に対し、独自の電力網(自ら構築した電力線)と電源により構成される、自律的なエネルギー供給網」のことと定義されており、公共の電力網から切り離された独自の電力網です。
ニッチかもしれませんが、これまでにない新たな需要を掘り起こし、徐々に社会に普及していくのではないかと考えます。
最後にわたしのBE株のお話です。現在のBE株価は購入価格の半値以下になっているため、損切はせずにしばらく様子を見たいと思います。ここから半値下げても損失はそれほど膨らみませんからね(笑)。ユニコーン企業と言われたブルームエナジーですが、本当にユニコーンとなれるのか?!ユニコーン企業を見つけるのは簡単ではないですね。
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この日はプレマーケットでマイナス25%という恐ろしく数字を目にしましたが、いざ蓋を開けてみると40%以上の大暴落。アメリカ市場にはストップ安はありませんからね!驚愕の数字でした(笑)
こちらはわたしの直近のポーロフォリオ。幸いにもBEはポートフォリオの数%を占めるだけで、甚大な被害には至っていません(といっても痛いのは痛い!)。