世界の監視カメラの設置台数ランキング(2019年) ~イギリスComparitech社の発表~
世界の監視カメラの設置台数ランキング(2019年) ~イギリスComparitech社の発表~
2019年8月、イギリスの比較サイト会社「Comparitech」は、世界の都市における監視カメラの設置台数ランキングを公表しました。
Comparitech - Tech researched, compared and rated
海外旅行や出張だけでは、あまり監視カメラに気づかないですが、海外の都市では着々と監視カメラの設置、犯罪抑制などへの活用がすすんでいるようです。独裁政権下においては、国民生活が懸念されることもあり、旅行する分にも犯罪抑制ではメリット、プライバシーの面ではデメリットとなるでしょうか。
◯ 世界都市における監視カメラ設置台数ランキング(2019年)の概要
- トップ10のうち8都市は中国の都市
- 中国では約2億台の監視カメラが設置されている
- 中国以外からは、ロンドン、アトランタがランクイン
◯ 世界都市における監視カメラ設置台数ランキング!(1,000人あたりの設置台数)
監視カメラの設置台数が最も多い都市は、中国の重慶市でなんと約260万台(1,000人あたり168台)も設置されているという結果に。単純計算で、6人あたり1台が設置されているということになります。しかも、中国は重慶でなくトップ10のうち8都市、新疆ウイグル自治区であるウルムチ市も14位(1,000人あたり12.4台)に入っており、凄まじい監視社会になっていることが推察されます。
Comparitechは、中国が2022年までに2人に1台の割合でカメラが設置される可能性を述べており、個人情報の取り扱いや行き過ぎた監視に対する懸念もあるようです。と言っても中国政府はガンガンやりそうですよね…。
◯ 監視カメラの設置台数が多いトップ10の世界都市(設置台数、1000人あたりの台数、国名)
- 重慶市(約260万台、1,000人あたり168台、中国)
- 深セン市(約190万台、1,000人あたり159台、中国)
- 上海市(約298万台、1,000人あたり113台、中国)
- 天津市(約124万台、1,000人あたり92台、中国)
- 済南市(約540万台、1,000人あたり73台、中国)
- ロンドン(約63万台、1,000人あたり68台、イギリス)
- 武漢市(約50万台、1,000人あたり60台、中国)
- 広州市(約68万台、1,000人あたり52台、中国)
- 北京市(約80万台、1,000人あたり39台、中国)
- アトランタ(約8,000台、1,000人あたり15台)
11位以降は、シンガポール、アブタビ(UAE)、シカゴ(アメリカ)、ウルムチ市(中国)、シドニー(オーストラリア)、バクダッド(イラク)、ドバイ(UAE)、モスクワ(ロシア)、ベルリン(ドイツ)、ニューデリー(インド)でした。因みに、日本の都市はランクインしていませんでした。サイトではトップ50までを紹介しています。
また、Comparitechによるデータ分析・考察によると、監視カメラの台数と安全に関するデータを比較した結果、特にカメラの設置台数と人々の安心感との関係性は薄いようです。
◯ まとめ & Comparitechのウェブサイト
Comparitechのウェブサイトでは、調査結果の概要、トップ50までのランキングを閲覧することができます。
The world's most-surveilled cities - Comparitech
以前は監視カメラを積極的に導入している国はイギリスであり、これはテロの経験などが関係しているとも言われていました。近年はランキングのとおり、中国が圧倒的な数でカメラを導入しており、これに顔認証や追跡機能を備えたAI監視カメラを都市に網羅したスマートシティ構想を推進しているそうです。AIの開発だけでなく、具体的な利用においても中国は先進的な国と言えるでしょう。
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監視カメラではありませんが、大御所グーグルがアプリ利用者の情報等をもとに世界主要都市の路線混雑ランキングを発表。ビックデータを用いる手法は似ており、今後こういったビッグデータの活用はどんどん増えると思われます。
こちらは世界の安全な航空会社ランキング。
監視カメラを設置すれば、すぐに治安が良くなったり、市民の安心感に直結するわけではないようです。こちらのランキングでは定量的な統計データ、定性的なアンケート調査などをベースに、オーストラリアのシンクタンクが作成しています。