グローバル・イノベーション・インデックス(世界イノベーション指数 2019年) ~世界知的所有権機関(WIPO)による発表~
グローバル・イノベーション・インデックス(世界イノベーション指数 2019年) ~世界知的所有権機関(WIPO)による発表~
スイスのジュネーブを本拠とし、国連の専門機関である世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WEPO)がアメリカのコーネル大学、フランスのインシアードと協同で、イノベーションの能力や世界のランキングであるグローバル・イノベーション・インデックス(世界イノベーション指数:GII)を発表しました。
◯ 世界イノベーション指数ランキング(2019年)の概要
- トップ3はスイス、スウェーデン、アメリカ、日本は15位
- ランキング上位は欧米諸国が占める
- 中国やインドが躍進を果たす
- 調査対象国・地域はおよそ130
◯ 世界イノベーション指数(GII)のランキング上位をチェック!
ベストなイノベーション国はスイス。特に特許数(一人あたりの特許出願数が突出)や知的所有権に関しての法整備が他を圧倒しており、2011年から9年連続で1位を維持しています。また、産官民連携も力強く、特に産業界と大学間での共同研究は世界トップクラスで、研究開発への投資額も世界をリードしています。2位以下の順位はつぎのとおり。
トップ10(イノベーション指数)
- スイス
- スウェーデン
- アメリカ
- オランダ
- イギリス
- フィンランド
- デンマーク
- シンガポール
- ドイツ
- イスラエル
因みに、アジアでは11位に韓国、12位に香港、14位に中国(昨年から3つランクを上げています)、15位に日本、52位にインドもランクインしており、アジア諸国はランキングをじりじり上げてきており、日本は取り残されるのではと少し心配に…。
◯ 世界イノベーション指数(GII)のスコアリング
調査対象は世界の国や地域、およそ130です。指標の項目は、人材や調査能力、インフラ、技術力、商標出願や研究開発投資、国際免許といった測定項目から、近年はスマホアプリの作成やハイテク輸出といった新しい指標も加わっている。合計80もの指標に基づき、総合的なランキングも発表しています。(が、細かなことを知りたい方は超ぅ長い本文を参照ください!)
https://www.wipo.int/global_innovation_index/en/2019/
◯ ラストフロンティアのサブサハラアフリカ
最後のフロンティアと言われるサブサハラアフリカ地域は、現在の先進国がたどった発展と同じ道を一歩ずつステップアップするというよりは、一気に発展段階をジャンプするようなイノベーションが起こる可能性があると言われています。
そんなサブサハラアフリカの域内ランキングは、南アフリカが63位、ケニアが77位、ルワンダが94位と続いています。
わたしも出張したことがあるケニアでは、M-PESAという電子マネーがナイロビのビジネスマンだけでなく、地方都市やあるいは農村の中間層あたりのおじちゃん・おばちゃんでも使っている人が多数いました。
日本などの先進国では、これまで個人が銀行口座を開設することで、送金・振り込みを行ってきましたが、現代のケニアでは銀行口座を持たずして、スマホでお金の送金や決済が発展しています。電子マネーだけでなく、固定電話→携帯電話という流れでなく、固定電話は普及せずにスマホが普及したり、買い物のプラスチックバックが早くから禁止になったりと異なる発展をしていきています。
アフリカでは様々なイノベーションを生んでもらい、一段飛ばしでこれまでと違った発展を遂げてほしい!
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こちらは世界の経済自由度指数のランキング。米シンクタンクが、財政の健全性、汚職の多寡、政府支出の大小、ビジネスの自由度、金融の自由度、などの10項目をスコアリングし、ランキング形式で公表しています。
こちらはトランスペアレンシー・インターナショナルが毎年、発表している世界の汚職指数ランキングです。やはり独裁政権や紛争のある国の多い、アフリカや中東の国が多いですね。上位は欧米諸国が並んでいます。
www.bloom-the-world.com