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世界平和度指数ランキング ~豪シンクタンク「経済平和研究所」が発表~

世界平和度指数ランキング ~豪シンクタンク「経済平和研究所」が発表~

 

 オーストラリアのシドーニーに本拠を構えるシンクタンク「経済平和研究所」は2019年の「世界平和度指数(GPI: Global Peaceful Index)」を公表しました。詳細なレポート及びサマリーは下記公式ウェブサイトより、ダウンロードが可能。

Reports Archive – Vision of Humanity

 

◯ 世界平和度指数ランキング(2019年)の概要

  • 世界全体の平和度指数は5年ぶりの改善だが、10年前よりは低水準
  • ベスト3はアイスランド、ニュージーランド、ポルトガル!
  • 日本は9位と健闘か!
  • ワースト3はアフガニスタン、シリア、南スーダン!

 

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◯ 世界平和度指数(GPI)のランキング上位・下位の国をチェック!

 トップに輝いたのは、2008年からトップを守るアイスランドで、スコアも2位以下を引き離しています。上位国は欧米が中心ですが、アジアからは7位にシンガポール、9位に日本がランクイン。

 

トップ10(平和度指数が高い国)
  1. アイスランド(1072点)
  2. ニュージーランド(1221点)
  3. ポルトガル(1274点)
  4. オーストリア(1291点)
  5. デンマンーク(1316点)
  6. カナダ(1327点)
  7. シンガポール(1347点)
  8. スロベニア(1355点)
  9. 日本(1369点)
  10. チェコ(1375点)

 

 この他に主要国としては、中国が110位、アメリカが128位と下位に沈んでいます。また、今回の調査で最も状況が改善した5カ国は、ウクライナ、スーダン、エジプト、マケドニア、ルワンダでした。

 

 良い知らせとしては、戦争や紛争、あるいはテロリズムで死亡した人の数は2014年をピークに減少傾向にあることです。世界各国がテロリズムにも対応してきている結果であれば、嬉しいのですが。

 

 

ワースト10(平和度指数が低い国)
  1. アフガニスタン(3574点)
  2. シリア(3566点)
  3. 南スーダン(3526点)
  4. イエメン(3412点)
  5. イラク(3369点)
  6. ソマリア(3300点)
  7. 中央アフリカ(3296点)
  8. リビア(3285点)
  9. コンゴ民(3218点)
  10. ロシア(3093点)

 

 一方、指数のスコアが最も低かった国は、アフガニスタン、シリア、南スーダン、イエメン、イラクなど紛争問題を抱える国がワーストに入っています。

 

 紛争を抱える国や独裁政権が国家を牛耳っている国のスコアが低いのはわかりますが、ロシアがワースト10入りしているのはこわいですね…。この他に意外な結果だった国は、141位のインド、128位になったアメリカ、134位のフィリピンです。気になるのはスコアリング、つまり採点方法ですね。次の項目のトピックです。

 

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平和の門(イタリア)

 

◯ 世界平和度指数(GPI)の採点方法

 この指数は治安のランキングではなく、各国の軍事費や政治体制や人権など大局なことから、殺人件数の数や軍人の数といった24項目の調査結果によってランキング付けがされます。また、対象国は163カ国で、国連加盟国の数と比較するとやや劣ります。

 

 採点項目の結果として、次のような傾向にあるようです。アイスランドやシンガポールはまさしくこの傾向にあてはまりますね。一方で、軍事費が世界でも突出しているアメリカ、中国は下位に甘んじる結果となっています。

 

  • 政府の秘密性が低く、腐敗が少ない国は、上位にランキングされやすい
  • 政治的に安定した面積が小さい国は、上位にランキングされやすい

 

 

◯ オーストラリアによる世界平和度指数の注意点・まとめ

 戦争や政治体制、暴力による犯罪などは調査項目に入っていますが、窃盗や詐欺などの犯罪、あるいは社会福祉の充実度といった、一般市民が平和・安全といった概念と関係すると感じるであろう項目は、調査項目に含まれていません。

 ここは注意が必要で、アイスランドを除く上位の国は日本と比べると犯罪率は高いです。日本のような人口大国が9位にランクインしているのは誇れることで、素直に喜びたいです。

 しかし、様々な統計情報から、スコアリングされている有用な調査結果のため、海外旅行や出張をする際は参考にしてよい資料にもなるかと思います。 

 

関連記事です。

こちらはトランスペアランシーインターナショナルという国際NGOが毎年公表している世界の汚職度指数ランキング(2018年版)です。概して、発展途上国は政治の腐敗がすすんでいる国が多く、それが原因ともなって経済発展の足かせにもなっています。

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こちらは経済自由度指数ランキングで、アメリカのシンクタンクであるヘリテージ財団が公表しているものです。こういったシンクタンク、NGO、政府の発表は公表され、広く知られることに意味があるため、無料で詳細な報告書を閲覧できるのがよいところですね。 

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