世界各国の汚職度指数ランキング(2018年) ~トランスペアレンシー・インターナショナル発表~
世界各国の汚職度指数ランキング(2018年) ~トランスペアレンシー・インターナショナル発表~
ドイツで発足し、国際的なNGOであるトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が、各国の汚職度指数ランキング(2018年版)を発表しました。
この汚職度指数は、トランスペアレンシー・インターナショナルが1995年以来毎年公開しているもので、各国の公務員や政治家が、どの程度汚職をしていると認識されるか、その度合を国際比較し、国家別にランキングしたものです。トランスペアレンシー・インターナショナル公式ウェブサイト→
Transparency International - The Global Anti-Corruption Coalition
◯ 各国汚職度指数ランキング(2018年)の概要
- 上位は北欧諸国、シンガポール、ニュージーランドなどの先進国が占める!
- 日本は18位と健闘!?
- 下位はソマリア、シリア、南スーダン、北朝鮮など紛争国や独裁国家などが占める!
- 平均点は43点と低い!?
点数が高い地域は西ヨーロッパ、欧州連合(EU)で平均点は66点、一方、得点が低い地域はサブサハラアフリカ(サハラ以南アフリカ、平均点32点)、東ヨーロッパと中央アジア(平均35点)でした。
◯ 経済汚職度指数のランキング上位・下位をチェック!
調査対象の180カ国のトップに輝いたのは、デンマーク(スコアは88点)でした。
その他の上位国は次のとおり先進国ばかりで、欧米を中心にアジア諸国もトップ10入りしています。
トップ10(汚職度が低い国々)
- デンマーク(88点)
- ニュージーランド(87点)
- フィンランド(85点)
- シンガポール(85点)
- スウェーデン(85点)
- スイス(85点)
- ノルウェー(84点)
- オランダ(82点)
- カナダ(81点)
- ルクセンブルグ(81点)
14位に香港(76点)、18位に日本(73点)、22位にアメリカがランクインしています。北欧は人口がそれほど多くなく、国土も大国よりも大きくないため、政治や統治をしやすいというアドバンテージがあるかもしれませんね。
人口が一億人を超える日本やアメリカが上位に入っているのは、なかなか良い結果だと思います。しかし、アメリカは昨年よりスコアを落とし、トップ20を漏れてしまいました。
一方、指数のスコアが低かった国は、ソマリア、シリア、南スーダン、イエメン、北朝鮮などの独裁国家や中東、アフリカの中でも紛争問題のある国がワーストランキング入りしています。国家や民族紛争が、一般市民の生活や治安にいかに悪影響があるか、理解できるランキングですね。
ワースト10(汚職度が高い国々)
- ソマリア(10点)
- シリア(13点)
- 南スーダン(13点)
- イエメン(14点)
- 北朝鮮(14点)
- ギニアビサウ(16点)
- 赤道ギニア(16点)
- アフガニスタン(16点)
- リビヤ(17点)
- ブルンジ(17点)
独裁国家や紛争問題のある国などのスコアが低いのは理解できますが、経済発展が進みつつある国/進んでいる国で日系の企業が進出している国々の中で低スコアだったのは、カンボジア(161位)、ケニア(144位)、ロシア(138位)、ベトナム(117位)、タイ(99位)などでしょうか。
次にどのようにスコアづけされているかを確認してみましょう!
◯ 世界汚職度指数の採点方法
トランスペアランシー・インターナショナルは100点満点の採点方法を採用しており、国際機関に調査したアンケート調査の報告書から指数が作成されています。
調査を行った国際機関は、世界銀行、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、ベルテルスマン基金、エコノミストインテリジェンスユニット、フリーダムハウス、グローバルインサイト、国際経営開発研究所(IMD)、政治経済リスクコンサルタンシー、世界経済フォーラムなどでした。
調査対象としては、世界中の企業やビジネスマンと国家分析専門家などとされており、どのように点数付けしているかの詳細はわかりませんでした。
◯ トランスペアランシー・インターナショナルによる、各国政府への呼びかけ
世界中で腐敗防止を進め、民主主義を強化するために、当組織は各国政府に次のように呼びかけています。(ソースはトランスペアランシー・ジャパンウェブサイトより)
- 政治権力に対してチェック&バランスが効く、そしてそのことに責任を負うような機関を強化し、その期間が恐れることなく行動できることを保証すること
- 反腐敗の法規制と、その施行・執行との間の履行ギャップを埋めること
- 市民社会や市民団体が、政治公約や政府調達、特に地方レベルでの支出を公に監視するのを支援すること
- 自由で独立した報道機関を支援し、ジャーナリストの安全を確保し、恐怖や嫌がらせを受けることなく仕事ができるように努めること。
◯ 今回のまとめ & ヘリテージ財団のウェブサイト
トランスペアランシー・インターナショナルのウェブサイトでは、調査対象国すべてのランキングやスコアが閲覧できるようになっています。
参考までにウェブサイト情報です。
Corruption Perceptions Index 2018 - Transparency International
汚職度指数については、治安情勢や政治、経済の安定性が大きく関与していると思います。
指数の低い国は、独裁政権であったり、紛争があったり治安が悪い国が見受けられます。場合によっては、ジャーナリストや一般市民が犯罪組織に巻き込まれるようなケースも多いように思います。ランキング上位の国では、犯罪組織は政府によって厳しく監視され、一般の人が被害にあうことは稀でしょう。立法、行政、司法が機能している国は汚職が低く、治安も安定しやすいはずです。
個人的な経験としては、ランキング下位の国で現地滞在中にビザの延長を求めたところ、おおっぴらに裏金をよこせとは言いませんが、意味もなくあれこれ聞かれたり、暗にお金をよこせばよいようなことを感じた嫌な経験があります。
みなさんもこういったランキングや旅行代理店、外務省等の安全情報を一読し、旅行や仕事を楽しみましょう!
関連記事です。
以前に紹介したのは、経済自由度指数のランキング記事。こちらもビジネス環境や治安に関連する指標ですね。
このような指数、ランキングに加え、海外治安にかかわる基礎情報として、各国政府が開示している治安情報があります。日本は外務省が管轄していますね。