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PwCの調査による第22回世界CEO意識調査 ~CEOが見る未来とは~

PwCの調査による第22回世界CEO意識調査 ~CEOが見る未来とは~

 

 PwC(プライスウォーターハウスクーパース)社による、世界企業のCEO意識調査が公表されました。→第22回世界CEO意識調査 | PwC Japanグループ

 

 PwCは、世界4大会計事務所・総合コンサルティングファーム(Big 4)の一つで、ロンドンを本拠地とし、世界150カ国以上に事業を展開しています。Big4は他に、デロイト・トウシュ・トーマツ、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)があります。

 

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世界CEO意識調査 ~PwC公式ウェブサイトより~

 

1.CEOの成長への自信、急激に落ち込む。

 調査では、次のとおり調査結果を要約しており、CEO達は米中の二体国を中心に世界経済の成長期待に陰りを感じつつあるようです。

 

  • ほぼ全ての国で世界経済の成長に対する不透明感が強まり、警戒感が広がる
  • 米国は引き続き成長が見込める重要な市場であるが、中国との差は縮小
  • 米中の成長期待は2018年の水準から低下
  • 貿易摩擦、不透明な政策、地政学的問題、スキルを持つ人材の不足が、世界経済や成長の強気姿勢に影響を及ぼす

 

 

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2.CEO意識調査の概要

 2018年9月から10月にかけて第22回世界CEO意識調査を実施し、今後12ヶ月の世界経済や企業の成長見通し、データアナリティクス、AI(人工知能)などについて調査をしています。対象は次のとおり。

 

  • 世界91カ国
  • 1,300名以上のCEO
  • 日本のCEOは150名

 

 また、浮かび上がってきたテーマは次の3つです。

「1.世界的な経済成長に悲観的な見方が急激に拡大したこと」、

「2.CEOが抱える喫緊の問題は自社が事業展開をする市場でのビジネスのしやすさ(過剰な規制、不透明な政策、貿易摩擦など)にシフトしていること」、

「3.情報とスキルのギャップがあると認識していること(ビッグデータの有効な活用、意思決定への結びつけに関して苦しんでいる)」

 

 

3.具体的な調査内容をチェック!

  • 今後12カ月の世界経済の成長見通し

 CEOの42%が引き続き世界経済の成長が今後一年間で改善すると予想。一方で、世界景気が減速すると予想したCEOは29%でした。

 しかし、前回の調査では改善が57%、原則が5%であり、急激に悲観的な見解が広がっているようです。

 

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PwC公式ウェブサイトより



 

  • 世界の経済成長に対する自信 ~ 地域別

 今後一年間で世界経済が改善するとしたCEOが50%を超えたのは、アジア・太平洋地域のみ。うち中国が73%、インドが51%と世界の悲観的な予想とは対極にあります。本当に大丈夫なのか?笑

 

  • 世界と日本のCEOが成長マーケットとして重要視する国

 やはり米中が最重要国との認識がある。日本は6位だが、近年の傾向は低下気味。

1位:アメリカ 27%

2位:中国   24%

3位:ドイツ  13%

4位:インド  8%

4位:イギリス 8%

6位:日本   4%

 

 

  • 世界CEOにとっての脅威

1位:過剰な規制

2位:政策の不確実性

3位:人材の獲得

 

 世界的にみると、米国大統領の言動、イギリスのEU離脱問題、イランやシリアなどの中東情勢が相まって、政策の不確実性が増していることが伺えます。過剰な規制は、1位ではありますが、地域別でみるとトップとなったのはヨーロッパのみでした。

 

 サイバー攻撃の驚異は世界では5位ですが、北米ではなんと貿易摩擦を僅差で上回りトップ!米中貿易摩擦の中、トップに躍り出ているとはCEOの肌感覚でそういうことなので、わたしの認識とはかけ離れていました。

 

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 一部の報道では、米軍サイバー部隊がロシアの電力網システムにマルウェアを仕込む、と伝えられました。以前にはロシア側からアメリカに対してハッキングを仕掛けることがたびたび報道されており、サイバー戦争に突入しかねない状況です。

 

 また、先日に南米でも大規模な停電が発生し、サイバーテロとの憶測も広がりました。電力網がストップすると、経済や企業ビジネスそのものが停止してしまうため、それだけCEOの意識も高まっているのでしょうか。

 

 

4.CEO調査の雑感、今後の経済動向はいかに

 今回の調査では、ここ数年の調査結果と比較するとCEOの経済にかかる悲観的な認識が深まっていることが伺えました。僅差ではありますが、楽観的な認識が上回りましたが、今年のアメリカや中国の経済動向、各国の主要な選挙結果、世界的なイベント(EU離脱、日本で開催されるG20でのアメリカ、中国、ロシア、そして日本など主要国の協議内容)次第では、世界経済がリセッションなんてこともありえるのかもしれません。

 

 今はアメリカの株高が進み、楽観的な市場の雰囲気があるかもしれませんが、一寸先は闇となりえますよね…。第22回世界CEO意識調査の詳細はPwCの公式ウェブサイトでPDFファイルの詳細レポート、調査の概要が閲覧できますので、そちらを参照下さい! 第22回世界CEO意識調査 | PwC Japanグループ。ではまた!

 

 

 関連記事です。

 こちらは世界的な権威であるハーバード大学の広報誌でもある、ハーバード・ビジネス・レビュー調査による、世界のCEOベスト100!栄冠はどのCEOに。

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次は世界企業の役員報酬ランキングです!トップは意外な企業でしたが、その他は誰もが納得の報酬かと思います。あまりに圧倒的、桁が違いすぎて、どのような生活をしているのか想像もつきませんね(笑)。

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