世界のCEOベスト100 ~ハーバード・ビジネス・レビュー 2018年版~
世界のCEOベスト100 ~ハーバード・ビジネス・レビュー 2018年版~
アメリカの経済誌ハーバード・ビジネス・レビューによる、世界企業の役員報酬ランキングの結果が発表されました。
ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)を発行するダイヤモンド社のHBRウェブサイト→
◯ 世界で最も優れたCEOベスト100まとめ
- ベストはインディテックス社(ZARA)のパブロ・イスラ氏!
- 日本人CEOは5人がランクイン、シスメックスの家次氏が9位!
- 工学の学位を持つCEOは34人、MBAを持つCEOは32人!
- 平均44歳で就任し、在任期間は16年間!
◯ トップ10の顔ぶれは!?
順位:CEO氏名 (本拠国、企業名、業種)を表記
- パブロ・イスラ (スペイン インディテックス社 小売)
- ジェンスン・ファン (アメリカ エヌビディア社 IT)
- ベルナール・アルノー (フランス LVMH 消費財)
- フランソワ・アンリ・ピノー (フランス ケリング 消費財)
- エルマー・デゲンハート (ドイツ コンチネンタル 自動車)
- マーク・ベニオフ (セールスフォースドットコム IT)
- ジャック・アシェンブロワ (フランス ヴァレオ 自動車)
- ヨハン・タイス (ベルギー KBC 金融サービス)
- 家次 恒 (日本 シスメックス ヘルスケア)
- マルタン・ブイグ (フランス ブイグ 工業)
◯ トップ10のCEOが率いる、各企業の事業内容
会社名だけでは何をしているかわからない企業もあると思うので、企業をピップアップしてご紹介。
1位のパブロ・イスラ氏はインディテックス社のCEOで、ZARA等を展開するアパレルメーカーです。
3位のアルノー氏率いるLVMH社(エルヴェエムアッシュ モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、で正式名称がめちゃ長い…)は、世界最大手のファッション大手企業体(コングロマリット)です。傘下ブランドはルイヴィトンをはじめ、ディオール、セリーヌ、ケンゾー、フェンディ、ジバンシーなどのファッション業界だけなく、時計・ジュエリー系ではタグホイヤー、ショーメ、ウブロ、ゼニス、ブルガリなど多岐にわたります。酒造では、モエエシャンドン、ヘネシー、ドンペリニヨンなども傘下にあり、まさしく大企業体ですね。
4位のピノー氏率いるケリングもファッションコングロマリット企業で、グッチを中心とし、イブサンロイーラン、バレンシアガ、ボッテガヴェネタなどを傘下におさめます。この2社に加え、リシュモングループが3大ファッションコングロマリットですね。
5位のコンチネンタル社は、自動車部品・タイヤのサプライヤーの大手企業です。タイヤではブリジストン、ミシュラン、グッドイヤーに次ぐ4番手のようです。
7位のヴァレオ社も、自動車部品のサプライヤー企業ですね。
8位のKBC社は、ベルギーに本拠を持つ総合金融機関で、KBC銀行や保険、アセットマネジメント事業などをヨーロッパ、中東などに展開しています。
10位のブイグ社は、フランスの大手建設企業で、公共施設建設工事、エネルギー、サービス、不動産、道路、テレコム、メディアなど多岐にわたるビジネスを展開しています。
◯ ランキング作成・指標の概要
・対象CEO・企業
ランキングの作成方法は、「S&Pグローバル1200」指数に入っている企業の中から、就任2年以上のCEOを対象に行っている。
結果、870社、881人のCEOが対象で、企業の本拠地は29カ国にのぼる。
・主に財務データからランキングを作成
各企業の財務データを検証し、CEOの在任期間の国別調整済みTSR、業種別調整済みTSR、時価総額の変化という3つの評価指標も検証している。
この他、財務指標では測ることが難しいCEOのパフォーマンスを測るべく、サステナリティクス社、CSR hub社と連携し、企業の長期的な成長に欠かすことができないESG(環境・社会・ガバナンス)も考慮して採点している。
実際に、財務データを80%、ESGを20%でCEOをランキングし、総合的にCEOの手腕を算出しています。
◯ まとめと日本企業CEOのランクイン
今回は、世界のCEOランキングを紹介しました。トップ10には入りませんでしたが、時価総額の世界トップに入るアマゾン(ベゾス氏は68位)、マイクロソフト(ナデラ氏は46位)はランキング入りしていました。
日本からは、シスメックスの家次氏に加え、日本電産の永守氏が30位に、ファーストリテイリングの柳井氏が35位に、ソフトバンクの孫氏が55位に、東京エレクトロンの河合氏が65位にそれぞれランクインしています。
欧米企業のCEOが中心でしたが、日本、台湾、オーストラリアといったアジア勢、ブラジル、メキシコといった中南米からもランクインしており、ワールドワイドな結果でした。
関連記事です。
こちらは世界企業の役員報酬ランキング。今回のランキングと同じ企業もありますが、こちらは創業者などが強い印象でしょうか。
大手コンサルのデロイト・トーマツ社による日本企業の役員報酬調査結果です。世界企業と比べてみるのも興味深いところですね。