世界の企業ブランドベスト500を発表 ~英国ブランド・ファイナンス社発表(2019年)~
世界の企業ブランドベスト500を発表 ~英国ブランド・ファイナンス社発表(2019年)~
イギリスの戦略コンサルティング企業であるブランド・ファイナンス社(Brand Finance)が、世界の企業ブランドベスト500を発表しました。
グローバルファイナンス社は、世界の企業ブランド価値を評価しており、いくつかの指標でランキングが作成されています。さっそくランキングの概要、上位企業の情報をチェック!
◯ 世界の企業ブランドベスト500(2019年)の概要
今回のランキングでは、次のような指標でランキングがされています。次の項目で各指標のランキング結果、指標の内容を紹介しています。
- 企業ブランド価値のランキング(Brand Value Index)
- 企業ブランド力のランキング(Brand Strength Index)
- 企業ブランドに影響力のあるCEOのランキング(Brand Guardianship Index)
◯ 企業ブランド価値のランキング(Brand Value Index)をチェック!
このランキングは、企業ブランド価値を金額に換算した指標のランキングです。
トップに輝いたのは、昨年に引き続きアマゾン(Amazon)でした。上位企業はアメリカのハイテク企業が中心でしたが、中国の企業もトップ10に食い込んでいます。また、躍進を見せた企業は、マイクロソフト、中国の企業であるICBC(中国工商銀行)、中国建設銀行でした。
・トップ10(企業ブランド価値が高い企業)
- アマゾン(1位)
- アップル(2位)
- グーグル(3位)
- マイクロソフト(6位)
- サムスン(4位)
- AT&T(5位)
- フェイスブック(7位)
- ICBC(10位、中国企業)
- ベライゾン(8位)
- 中国建設銀行(11位)
日本企業からは、トヨタ、NTTグループ、三菱グループ、ホンダ、ソフトバンク、日産、au、日立グループ、住友グループ、ソニー、パナソニック、ユニクロ、JR、三菱東京ファイナンシャルグループ、キャノン、セブンイレブン、レクサス、三井グループ、三井住友ファイナンシャルグループ、ヤフー、スバル、丸紅、ニンテンドー、ブリジストン、プレイステーション、みずほファイナンシャルグループ、大和ハウス、MS&AD、日本生命、資生堂、スズキ、ダイキンがトップ500に選出されました。セクターは元国営のインフラ企業、自動車、旧財閥グループ、銀行、保険会社、メーカーなど多彩な企業でした。
また、B2B(企業間商取引:Business to Business)とB2C(企業と個人消費者間取引:Business to Consumer)世界の地域ごとの分析もしており、次のような結果でした。中東地域、オセアニア地域の企業は、あまり聞いたことがない企業で、どのような事業をしているか調べてみたいですね。
・地域ごとのB2B(左)・B2C(右)企業トップ
・北米 (アマゾン 全体順位は1位) (インテル 全体順位は40位)
・ヨーロッパ (シェル 26位) (メルセデスベンツ 13位)
・中東 (ADNOC 206位) (Etisalat 226位)
・アジア (State Grid 18位) (サムスン 5位)
・オセアニア (BHP 345位) (Telstra 173位)
◯ 企業ブランド力のランキングをチェック!
このランキングは、マーケティング投資、ステークホルダーの評価、業績へのインパクト等に基づき算定された「ブランド力」そのものを指標としているランキングです。ブランド力そのものということで、フェラーリがここでもポールポジションを獲得!
トップ10入りした企業は、フェラーリ、マクドナルド、WeChat、ロレックス、コカコーラなどその多くが一度は聞いたことのある、製品や企業ですね。ランキングは次のとおりです。その他にも、デロイトトーマツ、PwCなどコンサルティング企業も入っていますね。
トップ10(企業ブランド力が高い企業)
- フェエラーリ(3位)
- ズベルバンク (12位、ロシア)
- デロイトトーマツ(17位)
- WeChat(68位)
- マクドナルド(14位)
- インテル(30位)
- ロレックス(23位)
- ニュートロジーナ(4位、アメリカ)
- コカコーラ(22位)
- PwC(8位)
◯ 企業ブランドに影響力のあるCEOのランキング
このランキングは、特に影響力のあるCEOをランキングしています。
トップ100CEOのうち、アメリカ企業から37人、中国から22人、フランスとドイツからそれぞれ8人、イギリスから5人、日本から4人、その他の国から16人が選出されています。
トップ10(ブランドに影響力のあるCEOランキング)
- Jeff Bezos(アマゾン)
- 豊田章男 (トヨタ)
- Bernard Arnault(LVMH)
- Tim Cook(アップル)
- Robin Li(バイドゥ)
- Ginni Rometty(インテル)
- Bob Iger(ディズニー)
- Qingping Li(China CITIC Bank)
- Satya Nadella(マイクロソフト)
- Fred Smith(フェデックス)
日本からは2位にトヨタの豊田章男氏、45位にキャノンの御手洗氏、64位にソフトバンクの孫氏、87位にホンダの八郷氏がそれぞれランクインしていますね。また、アマゾン、アップル、マイクロソフトといったハイテクセクターの巨頭は様々なランキングで常連になっています。
◯ まとめ & ブランド・ファイナンス社のウェブサイト
ブランド・ファイナンス社のウェブサイトでは、詳細なレポートが無料でダウンロードできます。ブランド500の項目は、2019年・2018年のランク、ブランド名、国、産業セクター、ブランド価値(100位まで開示)、昨年比の価値上昇率、レーティング等が確認できます。ぜひ参考にしてみて下さい→
Brand Finance - Brand Finance Global 500 2019
こういった企業や製品ブランド価値、ブランド力は投資をする上でも一つの材料となりえます。一度に、ブランド価値、ブランド力、CEOのランキングをチェックできる興味深いレポートになっているので、投資先の企業情報の一つとして参考にするのもありかと思います。
あとは、バブル期の日本企業はもっと上位を占めていたのかもしれませんが、いまはそれが中国の企業にとってかわられているのかと感じました。さらにトップを走り続けるのは、やはりアメリカ企業やヨーロッパ企業が中心で、ビジネスの中心はアメリカということを改めて認識しました。特にハイテクセクターの躍進は凄まじく、上位ブランドは多くがアメリカ企業のものでしたね。
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こちらはハーバードビジネスレビューがまとめた、世界のCEOランキング。両方のランキングから選出されたCEOも多くいますね。評価項目が異なるため、CEOは多角的に評価されてプレッシャーがすごそうです(笑)
そんな世界企業のCEOの役員報酬はいくら!?という記事がこちらです。わたしの給与と比較すると眩いばかりの金額(笑)。お金持ちはさらにお金持ちになるという夜の摂理なのかもしれません。