Bloom the World

海外出張や旅行をしながら、世界の今日の一皿、建物、文化あれこれ。ときどき腕時計。

世界の小売業ランキング(2019年) ~デロイト・トーマツ・コンサルティング発表~

世界の小売業ランキング ~デロイト・トーマツ・コンサルティング(2019年発表)~

 

デロイト・トーマツ・コンサルティングが、「Global Powers of Retailing(世界の小売業ランキング)」を発表しました。

ぱっと思いつく小売企業は、外資系企業でアマゾン、ウォルマート、ホームデポ、カルフールなどでしょうか。日本企業では、セブンイレブンなどのコンビニ、三越伊勢丹や阪急百貨店などの百貨店が最初に思いつきます。

詳細なレポート(英語サイト)はデロイト・トーマツのウェブサイトで公表されています。

https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/consumer-business/dis/jp-dis-gpr-2019-eng.pdf

 

◯ 世界の小売業ランキング(2019年)の概要

  • トップ10は欧米企業が独占!
  • トップは20年以上連続でウォルマート!
  • 日本のトップは、イオンの13位、続いてセブン&アイホールディングスの18位!
  • 売上高上位250社の総売上高は約4.5USD

 

f:id:Mr_Bloom:20190516172546j:plain

 

 

 

◯ 世界の小売業ランキングトップ10をチェック!

トップに輝いたのは、20年以上連続でウォルマート。2位に4倍以上の差をつけての圧勝は、さすが小売業界の巨人といったところでしょうか。

次にコストコ、クローガー、アマゾン、シュバルツと続きます。中でも目をみはる成長を続けるのが、アマゾンです。トップ10の企業ともなるとその規模も巨大ですから、どの企業も年間売上成長率は一桁にとどまりますが、アマゾンはなんと25.3%も増加!好調なコストコが8.7%増、ウォルマートは3.0%増という成長率を考慮すると、アマゾンの25%がいかに凄まじい数字になっているか感じられますね…。

 

トップ10(2017年の売上高 単位はMillion USD
  1. ウォルマート(500,343
  2. コストコ(129,025
  3. クローガー(118,982
  4. アマゾン(118,573
  5. シュバルツ(111,766
  6. ホームデポ(110,904
  7. ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(99,115
  8. アルディ(98,287
  9. CVSヘルス(79,398
  10. テスコ(73,961

 

主にスーパーマーケット事業を営む企業がランクイン。7位のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、9位のCVSヘルスは米国企業で、ドラッグストアやヘルスサービスを事業としています。5位のシュバルツ、8位のアルディがドイツ企業、テスコがイギリス企業で、その他は米国企業で、米国経済の大きさが伺えます。

  

◯ 日本の小売業ランキングトップ10(世界の順位)

  1.  イオン(13位)
  2. セブン&アイホールディングス(18位)
  3. ファーストリテイリング(56位)
  4. ヤマダ電機(67位)
  5. ユニー・ファミリーマートホールディングス(84位)
  6. 三越伊勢丹ホールディングス(89位)
  7. ドンキホーテホールディングス(124位)
  8. 高島屋(134位)
  9. エイチ・ツー・オー・リテイリング:阪急阪神グループ系(135位)
  10. ビックカメラ(142位)

 

詳細なデータを確認すると、2桁以上の小売売上高成長率を叩き出したのが、ファーストリテイリング(15.0%)、ドンキホーテ(10.8%)、エイチ・ツー・オー・リテイリング(12.4%)、チップ10のランク外ですが、コスモス薬品(ドラッグストア)、ニトリホールディングス、ノジマ、ツルハホールディングス(ドラッグストア)が2桁の成長率を誇っています。人口減少が続く日本の中において、2桁の成長率は立派。

また、コンビニ業の成長率は低くなってきており、そろそろ頭打ちの状況に入っているように考えられます。百貨店も苦境が続いていると報道されている中で、阪急阪神グループの成長は大健闘といっていいでしょう。

 

f:id:Mr_Bloom:20190516174324j:plain

 

 

 

◯ 世界の小売企業上位250社の動向とまとめ

  • 250社のうち208社が小売売上高を拡大
  • 商品セクター別の構成比は、日用品が最上位
  • 年成長率は5.7%(2017年)、5カ年の年平均成長率(2012年~2017年)は3.3
  • 売上純利益率は2.3%

※データはいずれも2017

 

ほとんどの上位企業(208/250社)が売上高を拡大しており、世界景気の良さが反映されているように思います。また、年成長率が5.7%と頼もしい限りですね。先進国全体では人口が頭打ちになっていますが、アメリカなどはまだ人口増にも余力があり、今後の成長も期待できそうです。

一方、発展途上にある東南アジアやアフリカは今後も人口の伸びが予測されており、これらの国々の発展により、世界全体では今後も小売の売上高は成長していくように考えられます。

個々の企業をみると、現在はウォルマートの売上高が突出していること、それに唯一追随しているのがアマゾンという構図になりますね。わたしの世帯で考えても、アマゾンにおける日用品・食料品の購入料は年々増えており、実店舗での購入は生鮮食品のみにとどまっています。みなさんのお家でも似たような状況でしょうか。人間が生活する限り、小売業は不滅のため、今後もこういったデータを追っていきます。

 

関連記事です。

消費者が製品を購入するとき、小売業でもなんでも重要なのは企業のブランド力、知名度です。こちらの記事では、英国の戦略コンサルティング企業が発表している世界の企業ブランドベスト500を紹介しています。小売業の企業もランクイン。

www.bloom-the-world.com

 

 途上国のスーパーマーケットや小売店で食品や日用品を購入する際、信頼性や安全性ということを考慮すると、欧米系の消費財メーカーや食品メーカーの製品を手に取ることが多くなります。そこにもブランド力、知名度というものが購買意欲、製品の選択に直結しています。

www.bloom-the-world.com