WHOによるエボラ出血熱報告 ~コンゴ民主共和国~
WHOによるエボラ出血熱報告
ここ数ヶ月、コンゴ民主共和国でエボラウイルス病が発生しているようで、世界保健機構(WHO)が感染状況を定期的にアナウンスしています。
累計感染者数は次のとおりです。
- 11月27日現在 422人
- 10月31日現在 279人
- 9月25日現在 151人
- 9月5日現在 127人
1.コンゴ民主共和国のエボラ出血熱の感染状況
感染者数は11月27日現在、合計422人(感染の可能性が高いと疑われている人も含め)で、内242人が死亡(こちらも可能性が高いと疑われている人も含め)しています。
発生地域は北キブ州にある11の保健地帯と、イトゥリ州にある3つの保健地帯に分布していようです。北キブ州はウガンダ、ルワンダの国境付近でもあり、イトゥリ州はウガンダや南スーダンの国境付近にあります。
累計感染者数から分かる通り、9月初旬の127人から11月末には422人と感染者数が増加しており、エピデミック(局所的な流行)のおそれがあります。また発生源が近隣国の国境がある州ということもあり、国境を超える可能性も懸念されます。
2.エボラ出血熱とは、またその感染力
エボラ出血熱は、エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症です。
また、エボラ出血熱と聞けば、非常に致死率の高い感染症としてのイメージがあるかと思います。実際に、発症後の致死率は50-80%と、非常に高い割合と感じますね。また、近年ではエボラウイルス病と呼ばれることが多いそうです。
エボラウイルスの感染力は強いようですが、空気感染をしないようで、感染者の体液や血液に触れることで感染のリスクは高まるようです。これまでに見られた感染拡大ケースでも、死亡した患者の扱いや医療器具の不足(注射器や手袋などの医療器具)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く確認されています。
詳しくは、国立感染症研究所(エボラ出血熱とは)をご覧ください。
3.2014年の西アフリカエボラ出血熱流行のケース
近年のエボラ出血熱の流行では、2014年の西アフリカで発生したものが記憶に新しいですね。2013年末からギニアで症例が出始め、隣国のリベリアやシエラレオネなどの西アフリカ諸国において、エボラ出血熱が流行しました。
世界保健機関 (WHO) の発表(2015年10月まで)によると、この時は、感染疑い例も含め28,512名が感染し、11,313名が死亡しています。死亡率は約40%と、自分のような専門外の人からすると、非常に高い死亡率と感じます…。
いずれにしても広域に拡大流行するようなことがなく、自体が収束していくことを願うばかりです。