首都と商都 ~インドネシアの首都移転方針~
首都と商都 ~インドネシアの首都移転方針を例にして~
昨日今日と、夏の暑さですね。世界に目を向けるとトランプ大統領が中国に対する関税措置の引き上げを決定し、株価も荒れています…。またトランプ大統領、あなたか!となりますが、アメリカ大統領の影響力の強さが伺えますね。
さて、インドネシアでは再選を確実にしているジョコ大統領がジャカルタからの首都移転方針を発表しています。今回は首都と商都(最大の経済都市)について、ざっと調べてみました。
1.首都と商都が同じ国家
- 日本 (東京)昔は商業都市が大阪でした。今は政治的な機能や企業、経済の中心は東京に一極集中しています。
- インドネシア (ジャカルタ)
- タイ (バンコク)
- スペイン (マドリード)文化的に異色を放っているのはバルセロナですね。
- フランス (パリ)政治、経済、文化の中心
- イギリス (ロンドン)
- ケニア (ナイロビ)他の都市として、モンバサという港湾都市がある
2.首都と商都が異なる国家
- 中国 (首都:北京、商都:上海)
- ベトナム (首都:ハノイ、商都:ホーチミン)
- インド (首都:ニューデリー、商都:ムンバイ)
- アメリカ (首都:ワシントンDC、商都:ニューヨーク)
- カナダ (首都:オタワ、商都:トロント)
- トルコ (首都:アンガラ、商都:イスタンブール)
- ドイツ (首都:ベルリン、商都:フランクフルト)
- スイス (首都:ベルン、商都:チューリッヒ)
一覧にしてみると、首都と商都(最大の経済都市)が異なる国家が思った以上に多かったです。日本人視点で見ると、行政の中心都市(主に首都)が重要ではなく、旅行先で行くことが多いであろう商都のほうが認知度が高いような気がします。例えば、ニューヨーク、トロント、イスタンブール、チューリッヒなど。
3.首都と商都が異なるメリット
- リスク分散
- 都市の生産性が上がる(?)
次に首都と最大の経済都市が異なるメリットです。
首都と経済都市を分離することにより、災害や戦争が発生した場合にも政治・経済が一挙に壊滅するリスクを防いでいます。最大のメリットは国家運営におけるリスク分散です。
また、都市の一極集中を避けることにより、都市の生産性が上がるメリットも考えられます。例えば、インドネシアはジャカルタに一極集中していますが、交通渋滞や洪水による地盤沈下が社会問題となっており、経済的損失が危惧されています。首都と商都を分けることにより、生産性を改善することが可能かもしれません。
4.ジョコ大統領による、首都の移転方針などを例にとって
インドネシア政府は、閣議で首都をジャカルタから移転させることを決定しました。有力な候補地として、マレーシアと国境を有するカリマンタン島の名前が挙がっています。しかしながら、首都の移転には国家の承認が必要なため、具体的な時期やスケジュールは不明ですあり、論争が長引く可能性も。
首都移転の経験国として、マレーシアは首都はクアラルンプールのまま、首都機能のみをプトラジャヤに移しています。また、ドイツもボンからベルリンへの首都移転を行っています。
ジャカルタの場合、人口の一極集中や交通渋滞のひどさがいきすぎていると考えているようです。再選を確実にしたジョコ大統領の政策方針に今後も注目ですね。
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インドネシアではジョコ大統領が再選を集中におさめていますが、今年も世界各国で様々な政治・経済のイベントや選挙戦が繰り広げられる予定です。先進国ではもちろん、発展途上国にでは政治家・政府のパワーは絶大ですよね。