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ジンバブエ政府が外貨の廃止を発表 ~自国通貨の復活へ!?~

ジンバブエ政府が外貨の廃止を発表 ~自国通貨の復活へ!?~

 

1.ジンバブエが外貨を廃止し、自国通貨を復活させる

 アフリカ大陸の南部に位置するジンバブエ。この国では、10年ほど前のハイパーインフレーションによって、自国通貨であるジンバブエ・ドルが廃止されました。ソレ以降、ジンバブエではアメリカドル、南アフリカランドなどの外貨が通貨として利用、流通していました。

 

 しかし、6月のジンバブエ政府の発表によると、通貨として利用されてきた外貨を禁止し、新たな自国通貨を「Bond Notes(ボンドノート)」、「RTGSドル」の2種類を通貨とすると宣言しました。

 

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ハイパーンフレ時に発行された100兆ジンバブエドル

 

2.自国通貨のBond Notes(ボンドノート)

 ボンドノートは2009年にジンバブエ政府が、米ドルと等価交換される通貨として導入しました。

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 しかし、実際は闇市場では等価を大きく下回るレートで売買されているようです。やはり現地の人にとっては、等価交換といっても米ドルなどのメジャー通貨がより価値のある通貨になるようです。まあ、当たり前ですよね(汗)。

 

 

3.自国通貨のRTGSドル

 RTGSドルはジンバブエ政府が、2019年に導入した自国通貨です。これを唯一の法定通貨とし、外貨通貨の法貨としての利用を禁止しました。ちなみにボンドノートは、RTGSドルに統合されるとのこと。

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 エコノミストによると、RTGSドルは信用の裏付けとなる大規模な外貨準備がなく、米ドルや南アフリカランドの利用が禁止されれば、大混乱に陥る可能性があると指摘。ジンバブエの財務大臣は、今回の政策実施に向け、米ドルや南アランドをRTGSドルに両替するように促していますが、国民の間では混乱が広がっている模様です。

 通貨、難しい問題ですね…。

 

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4.アフリカでのわたしの経験から

 わたしはアフリカの国で仕事、旅行したことがありますが、アメリカドル、イギリスポンド等の現金がとても強く、闇市場では銀行や両替所のレートよりも、有利に米ドルを現地通貨に両替することができると聞きました(実際、現地の知り合いは闇市場で両替をしていましたね)。

 

 一方、現地の人にとっても自国通貨は米ドルなどより信頼は低く、ある程度お金を持っている人、金融知識のある人は米ドルでお金を管理したいと思う人も少なくありません。

 

 私達が現地の通貨に両替するときは、必要なお金を最低限、両替するだけで、必要以上に両替しないようにしていました。理由は、ドル→現地通貨のレート、現地通貨→ドルのレートがけっこう違っており、ドルに戻す時にロスが大きいためです。また、国によっては簡単に現地通貨からドルに両替するのに、手間や時間を要することがあります。こういった事態を避けるためには、最小限の両替だけですませるのがベターです。

 

 

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